猿山(332.54m)
2007年3月17日
石川県輪島市門前町吉浦より

猿山付近地形図
等高線は20m。スケールの単位はm。

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昨晩は車中泊で朝早くから猿山へ出かけた。天気予報は雪。当然のことながら、訪れる人は誰もいなかった。今年から協力金300円とのこと。かつては盗掘もひどかったということだが、地元の人たちによるパトロールなどのおかげで、少しずつよくなっているという。駐車場から灯台に向かって歩く。断崖絶壁とはこのこと。典型的な海蝕崖で、高さは200mもある。
しばらく歩くと猿山灯台に着く(写真左)。かつて能登の秘境と呼ばれた猿山岬灯台。1920年の灯台建設に際しては、道の無かった陸路ではなく、海路資材が運搬されたという。ここから遊歩道は急な登りとなる。しばらくアップダウンを繰り返して、山頂に着いた(写真右)。日が差すものの、時折雪もふっている。
写真左は山頂に埋設された三等三角点。国土地理院の『点の記』によると、所在地は石川県輪島市大字吉浦字サル山1となっている。ここから尾根に沿ってのんびり歩き、急な下りにさしかかると駐車場が見えてきた(写真右)。ほどなくして、駐車場へ下り立った。手頃な一周路だが、洲浜草の開花は昼近くになってから。そのため、結局また最初に戻って、もう一周することとなった。都合二周のハイキングだった。
駐車場に戻ってきた頃には、少しずつ車も増えていたが、今日の天気予報が雪とあって訪れる人は少なかった。来週は「雪割草祭り」とか。ものすごい人になることだろう。入り口で地元のおばあちゃんが販売していたいなり寿司を買って食べる。3個入りで100円。なかなかおいしかった。写真左は帰路猿山を振り返って。写真右は帰路、赤神付近から見た猿山。
今日であった洲浜草(雪割草)。色鮮やかな洲浜草は日本海側ならでは。萼片が白い洲浜草も、ほんのりピンク色が可愛い。この他に、一輪草と菊咲一華がたくさん咲いていたが、先日の雪のため痛みがひどかった。
暖かくなって咲き始めたものの、その後の寒波で葉が痛んでしまったのだろか、痛々しかった。写真右は帰路見学した金栄山妙成寺五重塔で国指定重文。トチ板葺が珍しい。
※久しぶりの遠出は能登の猿山。洲浜草の開花時刻は昼前。それを考えると、前夜泊ではなく、朝早く出た方がよかったかもしれない。暖冬と寒の戻りでどんなものか心配したが、たくさんの花を見ることが出来た。花を見ていると、地元のおばあちゃん2人がパトロールに登ってこられた。「ぐるっと回ると半日かかる」と話しておられたが、とても元気そうな姿だった。
 さて、猿山岬一帯は能登半島国定公園特別保護地区に指定されているが、近年の山野草ブームで洲浜草の開花時期である3月中旬から4月にかけては、毎年8000人以上が訪れるという。盗掘や踏み荒らしのため、その分布は次第に減ってきているという。そのため、今年から環境保全目的で協力金制度を設け、パトロールや遊歩道整備に当てることになったという。遊歩道はよく整備されていて、立ち入りを規制するロープも張られている。しかしよく見ると、規制地区内に踏み跡もあちこちに見えた。盗掘の様子が見られないため写真撮影が目的なのだろうが、考えさせられてしまった。
 帰路は総持寺祖院と妙成寺、他を見学。できれば何日かかけて、ゆっくりと見学したい所だ。図書館へ寄ろうかと思ったが、さすがにその時間はなかった。後日を期すことにする。